
殺処分寸前だった犬が、災害で命を救うヒーローになった物語ですね。その犬が、人々の心にどれほどの希望と、命の尊さを教えてくれたのか、その感動的な背景を紐解いていきます。
何が起きたのか
広島県神石高原町では、災害救助犬として活躍した犬「夢之丞」さんへ、感謝状が贈られました。夢之丞さんは、命が危ない状況から引き取られ、国内外の被災地で人々の命を救う大切な役割を担ってくれたのです。人間で言えば100歳近くになる、とても長生きした夢之丞さんですが、その懸命な姿が、多くの人々に「命の大切さ」を教えてくれたと評価されています。
なぜそれが起きたのか
夢之丞さんが、これほど大切な存在になったのは、長い時間と、誰かの優しさがきっかけでした。
まず、夢之丞さんは、2010年にNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」(PWJ)という団体が、災害時に助けになる犬を探しに行った際に出会いました。ケージの中にいた子犬の夢之丞さんは、抱きかかえると震えていましたが、「救助犬として育てれば、殺処分をなくす活動の象徴になれるはずだ」と、団体の方々は彼を連れ帰ったのです。
その後、夢之丞さんは、人前で餌を食べないようにしたり、散歩に連れ出すようにしたりと、1年もの長い時間をかけて、訓練を受けました。この訓練を通して、夢之丞さんは、自分自身だけでなく、訓練する人たちにも刺激を受けながら、大きく成長していったんですね。
そして、その努力が大きな実を結んだのは、14年8月に発生した広島の土砂災害の現場です。夢之丞さんは、物おじせずに駆け回り、泥だらけになりながらも、亡くなった人を発見しました。この出来事をきっかけに、夢之丞さんは21年間、ネパールや台湾、インドネシアなど、世界各地で計17回も出動し、活躍しました。夢之丞さんの活躍は、各地で犬が捨てられてしまうのを防ぐきっかけとなり、多くの命を守る活動の象徴となったのです。
わたしたちの生活にどう関係するのか
夢之丞さんの物語は、私たち一人ひとりの生活にも深く関わっています。
夢之丞さんは、人間でいうところの100歳近くという長い時間を生き、施設で一日の大半を静かに過ごしています。彼が示したのは、「人と動物が一緒に生きる」という、とても大切な共生(きょうせい)の道でした。
飼育施設の方々や、夢之丞さんに出会った代表理事の方々は、周囲から「救助犬には無理だ」と言われることもあったけれど、夢之丞さんが期待以上に頑張って、人と動物が協力し合える道を開いてくれたことに、深い感動を覚えました。保護犬という活動は、ただ犬を助けるだけでなく、人間と動物がどう関わっていくべきかを考えるための大切なステップだったわけです。
私たちは、夢之丞さんのように、命を大切にすること、そして、困っている人を助けるという優しい気持ちを持つことが、社会をより温かいものにしていくことにつながるのではないでしょうか。
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