
世界の終わりの「避難所」となりうる場所の地理的条件は、脅威の種類によって異なる、という研究結果ですね。地球規模の大きな災害が起こったとき、私たちは一体どこに身を隠せば安全なのか、考えてみましょう。
何が起きたのか
世界が壊滅的な危機に直面したとき、本当に生き残れる国や場所はどこなのか、という問いが、世界中の研究者によって深く探られています。オーストラリアのタスマニア島など、裕福な人々が「ハルマゲドン」のような大災害に備えて、特別な土地を確保しているという話もあります。これは、もし地球規模の大きな問題が起こったとしても、人類の一部が生き残り、新しい生活を始めるための「避難所」を探している、という状況を指しているのです。
研究者たちは、「数ヵ月から数年で、人類の少なくとも10%が死に至るような、地球規模の壊滅的なリスク」を想定し、そのリスクを大きく三つの種類に分けて考えています。それは、私たちの生活や社会を根底から揺るがす、非常に恐ろしい出来事たちです。
なぜそれが起きたのか
なぜ、こんな難しい研究をしているのでしょうか。それは、これから起こりうる様々な危険に対して、国や地域がどれだけ強く、しっかりしているかを確かめたいからです。研究者たちは、未来に起こりうる大きな災害を、具体的に三つのパターンに分けて分析しています。
一つ目は、「急激な寒冷化」というシナリオです。これは、核戦争や大きな火山噴火、あるいは宇宙の小惑星の衝突などによって、太陽からの光(日射量)が急に減ってしまうことを想像しています。太陽の光が減ると、地球全体がどんどん寒くなってしまいます。すると、野菜や作物が育たなくなり、食べ物が手に入らなくなってしまいますよね。この寒冷化は、特に南の地域にとっては、海が冷えることで少しだけ温暖化の心配が減るという利点もあります。
二つ目は、「インフラの壊滅的破壊」です。これは、大規模なコンピューターの攻撃(サイバー攻撃)や、太陽の活動が乱れることによる宇宙天気現象(宇宙のエネルギーの乱れ)などによって、電気や通信、物資を運ぶ道といった、私たちの生活を支える仕組みが全部壊れてしまうことを指します。もし、電力網やインターネットが使えなくなったら、現代社会は成り立たなくなってしまいます。
三つ目は、「生物学的・衛生上の脅威」です。これは、新型コロナウイルスのようなパンデミックや、実験室での事故、あるいは意図的な生物兵器など、病気や生物によって人類が危機に瀕するケースです。この場合、国がどれだけ病気を防ぎ、治療し、対応できるかという「医療システム」の強さがとても重要になってくるのです。
わたしたちの生活にどう関係するのか
この研究からわかったことは、「完璧な避難所など、どこにも存在しない」ということです。ある災害から身を守るための力は、別の災害に対しては弱点になってしまう可能性がある、という非常に大切な知見です。
例えば、島国は外からの感染症や敵から身を守りやすいという強みがある一方で、必要な物資を海外からの輸入に頼っているため、もし輸入が止まってしまっては困ります。一方、大きな国は、物資を自分たちで作れる力はありますが、複雑なシステム(インフラ)に頼りすぎているため、そのシステムが壊れると大きな被害を受けやすいのです。
研究者たちは、オーストラリアやニュージーランドのような島国は、食料やエネルギーを自分たちで作れる能力が高く、また、外からの影響を受けにくいという地理的な条件が有利に働く、と指摘しています。また、もしインフラが壊れても、地元で必要なものを生産できる「分散型システム」(一つの大きなシステムに頼らず、小さなグループで機能する仕組み)を持つことが大切だというわけですね。
私たち一人ひとりが、これから起こりうる様々なリスクを理解し、自分たちが住む場所や社会の仕組みが、本当に強いものになっているのかを考えていくことが、とても大切になってくるのではないでしょうか。
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